400円の一人旅(前編)
2003年9月27日天国と地獄が見える。
今日は家の前の小学校で運動会が開かれた。
小六の妹はもちろん参加している
秋の運動会のお弁当は
毎年親父が腕を振るって
重箱で出てくる。
昼ごはんは一緒じゃないとダメだと父が言うので仕方なく場所取りと見張りを任された。
運動場の隅。黒い日傘と赤いスヌーピーのシーツ。
でかい籠の中には三段の重箱が風呂敷に包まれている。
テントやキャンプ用のパラソル付きテーブルを持ち出す父兄が多く見えた。テントはないだろうと思った。
日が眩しくてだるかったが、毎年聴いていた徒競走の曲と(何所も同じ曲なんだろうか)はしゃぐガキどもの姿をみていて、これもいいもんだなと思った。
そのうち父と母がやってきた。
なんと父は鹿児島に帰ったとき買った
傘を頭にかぶり(案山子がよくかぶっているやつだ)サングラスをして登場してきたのである。
「お父さんそれ恥ずかしいのでやめてください」
「目立つ方があり(妹の呼び名だ)もわかりやすいだろ」
母はTシャツにハーフパンツという
どう見ても10代にしかみえない格好をして来た。
細いからぱっと見若く見える。
さすが立野のバックシャンと言われただけはある(言われてない)
母と私はお昼の弁当を食べるために
学校へ来たようなものだった。
で、まだ妹を見つけていなかった。
案山子のなりをした親父を連れ出すわけには行かないので私が妹を探すことになった。
グラウンドをぐるぐる回ってみるも見つからない。
するとスピーカーから「保護者の方にも参加してもらいたいと思いますのでぜひ参加してください」とアナウンスがあり、ぞろぞろ保護者の方が運動場の中央に集まってくるじゃないか。
そのうちに二周の大きな円になってきた。
私はといえば
円と円の間で右往左往していた。
地元の音頭が流れ出し、曲に合わせて踊る。
私は怪しまれないように
踊ることにした
他の人の1.75倍のスピードで
移動し妹を探しながら。
あんあ〜あ〜っじょッぉ〜七ッ夕ぁ〜音頭ぉ〜
本来の目的を忘れて無我夢中で踊りまくった。
一周ほどしただろうか。曲と太鼓が止まって
「それではお昼の休憩に入りたいと思います」
とかいう。
くそッ まだ踊り足りんぞッ
・・・
一旦シーツのある場所に帰ることにした。
探したけど見つからなかったことにしよう
戻ると妹がいるじゃないですか
話によると妹は父の姿を見たとき固まってしまったらしい
曰く「あんな格好をするなんて・・・服装で見分けれたけど・゜・(ノД`)・゜・」
色々あったがお弁当を食べられる。
私にとって本来の目的は妹を応援することじゃなくお昼ご飯の重箱の中身なのだった。
おにぎりの入った箱には、ラディッシュときゅうりの朝漬け、沢庵、ぬかづけ
鯛の塩焼きが入った箱には、とりのいかだ、骨付きチキン、ミートボール、チーズ、ポテト、ウインナー、海老、etc
デザートの箱はメロン梨林檎蜜柑葡萄トマトなどが入っていた。蜜柑と林檎と梨はウサギの形にきってある。豪華ですね。
もう回転寿司屋並。なんでもあり。最高。
親父はビールを取り出して飲み始めた。
「これは自分へのご褒美な」
夜勤明けで弁当を作ってくれたんである。
チーズや鯛の塩焼きが入ってるのは親父専用物。
父「おー、おいの(自分の事をおいと呼ぶ)
魚とるなよー。あーレモンは臭い消し用だから食べるんじゃ・・・」
眩しくて目を開けていられなかった。
父「うちの夜行性の衆(し)は日にあたると灰になるからなー」
母「誰のことよ」
こんな日が続けばいい。
お腹いっぱいで昼だけで
喧嘩がない日がつづけばいい。
そう思った。
今日は家の前の小学校で運動会が開かれた。
小六の妹はもちろん参加している
秋の運動会のお弁当は
毎年親父が腕を振るって
重箱で出てくる。
昼ごはんは一緒じゃないとダメだと父が言うので仕方なく場所取りと見張りを任された。
運動場の隅。黒い日傘と赤いスヌーピーのシーツ。
でかい籠の中には三段の重箱が風呂敷に包まれている。
テントやキャンプ用のパラソル付きテーブルを持ち出す父兄が多く見えた。テントはないだろうと思った。
日が眩しくてだるかったが、毎年聴いていた徒競走の曲と(何所も同じ曲なんだろうか)はしゃぐガキどもの姿をみていて、これもいいもんだなと思った。
そのうち父と母がやってきた。
なんと父は鹿児島に帰ったとき買った
傘を頭にかぶり(案山子がよくかぶっているやつだ)サングラスをして登場してきたのである。
「お父さんそれ恥ずかしいのでやめてください」
「目立つ方があり(妹の呼び名だ)もわかりやすいだろ」
母はTシャツにハーフパンツという
どう見ても10代にしかみえない格好をして来た。
細いからぱっと見若く見える。
さすが立野のバックシャンと言われただけはある(言われてない)
母と私はお昼の弁当を食べるために
学校へ来たようなものだった。
で、まだ妹を見つけていなかった。
案山子のなりをした親父を連れ出すわけには行かないので私が妹を探すことになった。
グラウンドをぐるぐる回ってみるも見つからない。
するとスピーカーから「保護者の方にも参加してもらいたいと思いますのでぜひ参加してください」とアナウンスがあり、ぞろぞろ保護者の方が運動場の中央に集まってくるじゃないか。
そのうちに二周の大きな円になってきた。
私はといえば
円と円の間で右往左往していた。
地元の音頭が流れ出し、曲に合わせて踊る。
私は怪しまれないように
踊ることにした
他の人の1.75倍のスピードで
移動し妹を探しながら。
あんあ〜あ〜っじょッぉ〜七ッ夕ぁ〜音頭ぉ〜
本来の目的を忘れて無我夢中で踊りまくった。
一周ほどしただろうか。曲と太鼓が止まって
「それではお昼の休憩に入りたいと思います」
とかいう。
くそッ まだ踊り足りんぞッ
・・・
一旦シーツのある場所に帰ることにした。
探したけど見つからなかったことにしよう
戻ると妹がいるじゃないですか
話によると妹は父の姿を見たとき固まってしまったらしい
曰く「あんな格好をするなんて・・・服装で見分けれたけど・゜・(ノД`)・゜・」
色々あったがお弁当を食べられる。
私にとって本来の目的は妹を応援することじゃなくお昼ご飯の重箱の中身なのだった。
おにぎりの入った箱には、ラディッシュときゅうりの朝漬け、沢庵、ぬかづけ
鯛の塩焼きが入った箱には、とりのいかだ、骨付きチキン、ミートボール、チーズ、ポテト、ウインナー、海老、etc
デザートの箱はメロン梨林檎蜜柑葡萄トマトなどが入っていた。蜜柑と林檎と梨はウサギの形にきってある。豪華ですね。
もう回転寿司屋並。なんでもあり。最高。
親父はビールを取り出して飲み始めた。
「これは自分へのご褒美な」
夜勤明けで弁当を作ってくれたんである。
チーズや鯛の塩焼きが入ってるのは親父専用物。
父「おー、おいの(自分の事をおいと呼ぶ)
魚とるなよー。あーレモンは臭い消し用だから食べるんじゃ・・・」
眩しくて目を開けていられなかった。
父「うちの夜行性の衆(し)は日にあたると灰になるからなー」
母「誰のことよ」
こんな日が続けばいい。
お腹いっぱいで昼だけで
喧嘩がない日がつづけばいい。
そう思った。
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